タマネギ 軟腐病

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タマネギ 軟腐病

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軟腐病は輸送中に発病することもあります

 

 

購入したタマネギを調理しようと、縦に二つに割ってみたら、
いつものタマネギの臭いとは違う悪臭が広がり、
表皮から数枚中の麟茎が柔らかく、びしょびしょに崩れかけていた!

 

という経験、ありませんか?
そのタマネギは、軟腐病にかかっているのかもしれません。

 

[タマネギ 軟腐病]

 

 

■軟腐病の症状

 

タマネギの軟腐病の症状が出始める時期は鱗茎の肥大期からです。

 

感染株は、初め下位の葉の葉鞘部ぶんから灰白色か淡褐色に変わります。
しだいに感染した葉は柔らかくなり、倒れます。

 

感染した葉と同様に、今度は感染した葉の鱗茎部も柔らかくなり、
表層部から柔らかくなります。

 

最終的には感染した鱗茎が腐れて無くなります。
独特の悪臭を放つので、すぐにわかります。

 

タマネギの収穫後に感染した球が見つかることもあります。
もちろん病原菌にとって好条件になると、
貯蔵中や輸送中にも発生します。

 

感染した球とは知らずに切断すると、
白濁腋が切断部からしみだします。

 

 

■軟腐病の原因

 

病原菌は、
エルウィニア・カロトボラ・カロトボラ(Erwinia carotovora subsp.carotovora)
という学名の細菌です。

 

タマネギの発芽適温は15~20度、
生育適温は、地温は16度前後、気温は20度前後ですが、

 

エルウィニア・カロトボラ・カロトボラの
生育温度はどれくらいでしょうか?

 

生育平均気温が2度前後~40度前後、
活動適温範囲は32~35度前後で、
気温が上昇するとともに、増加します。

 

エルウィニア・カロトボラ・カロトボラは
タマネギの生育適温に完全に被る菌といえます。

 

エルウィニア・カロトボラ・カロトボラは、
感染した土壌が雨や風などによって飛ばされ、
作物に付くと、作物の養分を利用して増えます。

 

またある程度増えると、作業や風雨や害虫などの食害でできた、
タマネギの茎や葉の傷から入り込み、感染して行きます。

 

エルウィニア・カロトボラ・カロトボラの発病は、20~35度の間です。
高温になるほど、発病傾向にあります。

 

ですから、発病せず、保菌したタマネギの球が、
運搬中などに32~35度前後の環境条件におかれると、
軟腐病を発病しはじめます。

 

では、圃場ではどのように
エルウィニア・カロトボラ・カロトボラは生き残るのでしょうか?

 

他の病原菌と同様、
被害株の残渣とともに土中に残り、翌年の伝染源になります。

 

このエルウィニア・カロトボラ・カロトボラは、
深さ25cmくらいでも生育し、
深いところでは70cmにも生息するといわれています。

雨の多い年に多く発生します。

 

タマネギを収穫するときに雨に遭うと、収穫後の発生が多い傾向にあります。

また、すでにエルウィニア・カロトボラ・カロトボラに汚染された、
連作地や低湿地の産地では多発傾向にあります。

 

 

■軟腐病の対策

 

◎感染したら
症状が出ている株を見つけ次第、
圃場から排除し、感染が広がらないように適切に処分します。

 

◎効果的薬剤
農薬は、それぞれの農薬の登録の有無と使用方法に従い、
有効な作物に対し適正に使用してください。

 

薬剤防除は予防散布が効果的です。
強風などでタマネギの葉が傷むと傷口感染が増加するので、
天気が荒れた翌日など、なるべく早く予防的に薬剤を散布します。

 

また、圃場で感染株を発見したら、感染株を排除したあと、
カスミンボルドー、スターナ水和剤、マテリーナ水和剤、
ヨネポン水和剤などを散布します。

 

◎軟腐病の耕種的防除法
耕種的防除法は、
・排水不良の圃場で発生が多いので、高畝栽培などをして圃場の過湿対策をします。
・密植とチッソ多肥による茎葉の過繁茂にならないように、施肥管理をします。
・発病した圃場ではイネ科やマメ科の植物など、感染しない作物を育てます。
・水やりは葉上から極力行わないようにします。
・管理中に植物を傷つけないように注意します。
・食害性害虫を見つけたらできるだけ早くその害虫を駆除します。
・収穫後の鱗茎は十分に乾燥させます。

などがあります。

 

タマネギなど作物の病気は、判断が難しいことがあります。
農協や農業試験場などにご相談ください。

 

■参考

・タマネギ 苗の作り方
・タマネギ 苗の販売
・タマネギ苗の保存方法
・ホームタマネギの栽培



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タグ : 

タマネギ 病害虫 生理障害

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